高校進路デスク

体調不良で登校が続かない高校生の、休学・遠隔授業・出席扱い・転学の公的な扱い

不登校生徒と病気療養中等の生徒の区分、単位の上限、出席扱い、転学の条文を、通知の原文で並べます。

机と椅子が並ぶ教室

このページでわかること

  • 2つの区分: 文部科学省の通知は、通信教育や遠隔授業の対象を「不登校生徒」と「病気療養中等の生徒」に分けています。不登校の定義からは「病気や経済的な理由による者」が除かれています。どちらに当たるかは、高校またはその管理機関が判断するとされています。
  • 単位の上限: 病気療養中等の生徒の遠隔授業と通信教育は「単位数の制限無く」行え、不登校生徒は合計36単位までです。どちらも各学校長の判断で実施する制度で、義務ではありません。
  • 休学・転学: 休学も退学も校長の許可が要り(施行規則第94条)、転学は在籍校の校長が書類を転学先へ送る流れです(第92条第1項)。

起立性調節障害など体調不良で登校が続かないとき、高校の制度が休学、遠隔授業や通信教育、出席扱い、転学のどれを認めているかを、法令と文部科学省の通知の原文で整理します。このページは病名の診断も、個別の事情でどの制度に当たるかの判断もしません。診断名が通知の「病気療養中等の生徒」に当たるかは、このページでは扱いません。

通知は「不登校生徒」と「病気療養中等の生徒」を分けています

文部科学省「高等学校等における多様な学習ニーズに対応した柔軟で質の高い学びの実現について(通知)」(2026-10-17確認)は、令和6年4月1日に施行された施行規則の改正の説明で、2つの区分を次のとおり書いています。

学校生活への適応が困難であるため、相当の期間高等学校を欠席し引き続き欠席すると認められる生徒(以下「不登校生徒」という。)、疾病による療養のため又は障害のため、相当の期間高等学校を欠席すると認められる生徒(以下「病気療養中等の生徒」という。)その他特別の事情を有する生徒

通知は、不登校生徒の範囲について、「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しない、あるいはしたくともできない状況にあるため年間 30 日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」という不登校の定義を一つの参考にするとしています。病気療養中等の生徒の範囲は、疾病や障害に関する医師等の専門家による診断書等を基に、高等学校またはその管理機関が判断することが可能だと書いています。

体調不良で登校できない状態がどちらの区分に当たるかは、通知が学校またはその管理機関の判断としているため、このページでは決められません。在籍校の担任か教務に、どの区分で考えるかを確かめます。

制度ごとに、一次資料が書いていること

体調不良で登校が続かないときの制度と、書かれていること(2026-10-17確認)
制度一次資料に書かれていることくわしいページ
休学休学は校長の許可を受けるものです(施行規則第94条)。期間の長さは条文になく、学則で決まります。就学支援金は、申し出れば休学中は停止されます。高校を長く休むときの休学と支援金
通信教育(授業に代えて)不登校生徒、病気療養中等の生徒その他特別の事情を有する生徒を対象に、教育上有益と認めるとき、高校は授業に代えて通信教育を行うことができます(第88条の4)。病気療養中の生徒についての通知
遠隔授業病気療養中等の生徒の遠隔授業と通信教育は「単位数の制限無く行うことができる」とされ、不登校生徒が自宅などで履修する遠隔授業と通信教育は、合計で36単位までです(第96条)。遠隔授業と単位
出席の扱い通信教育で単位を認める場合の出欠は、各学校長の判断で出席扱いにできます。学校外の施設に通う不登校生徒の出席扱いは、別の通知で、校長が判断します。不登校の生徒の出席扱い
転学転学は、在籍校の校長が在学証明書などを転学先の校長へ送り、転学先の校長が教育上支障がない場合に許可できます(第92条第1項)。都道府県別の公開状況、県をまたぐ転居

通知は、通信教育と遠隔授業の制度について、各高等学校にその実施を義務付けるものではなく、各学校長の判断により実施可能とするものだと書いています。在籍校がこの制度を使っているかは、学校ごとに違います。

病気療養中等の生徒の単位は、上限がありません

施行規則第96条第4項は、次のとおりです(学校教育法施行規則(e-Gov法令検索)、2026-10-17確認)。

疾病による療養のため又は障害のため、病院その他の適当な場所で医療の提供その他の支援を受ける必要がある生徒であつて、相当の期間高等学校を欠席すると認められるものについて高等学校の全課程の修了を認める場合においては、前二項の規定によらないことができる。

「前二項」は、遠隔授業の36単位の上限を定めた規定です。通知は、これを「病気療養中等の生徒に対する遠隔授業及び通信教育については、現行の遠隔授業と同様、単位数の制限無く行うことができる」と説明しています(2026-10-17確認)。単位の数え方と学校が決めておくルールは病気療養・不登校の高校生の遠隔授業と単位にあります。

出席扱いと、単位の認定は別です

高校の不登校生徒が学校外の公的機関や民間施設で相談・指導を受けている場合の指導要録上の出席扱いは、文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(2026-10-17確認)が、平成21年3月12日付けの通知によるものと書いています。出席扱いは、科目の履修の認定で考慮される授業への出席とは異なります。この通知は「不登校生徒」についてのもので、病気で通学できない生徒の出席扱いは、上の表の通信教育の場合に通知が書いています。要件と校長の判断は高校の不登校生徒が学校外の施設に通う場合の出席扱いにあります。

別の高校へ移る道と、このページで書かないこと

別の高校へ移る転学の書類の流れは、施行規則第92条に書かれています。移り先の受入れの可否や時期は、県の案内や学校ごとに違うため、都道府県別の公開状況で自分の県の案内を確かめます。受付の時期は転入学・編入学の受付時期にあります。通信制高校を比べたり選んだりする情報は、このサイトでは扱っていません。

このページの範囲。学校教育法施行規則の第88条の4・第92条・第94条・第96条と、文部科学省の2つの通知を読んでまとめました。病名、診断、どの制度を使うべきか、出席日数の目安、個別の事情で単位や進級がどうなるかは判断しません。出席日数や欠課時数の基準は、法令になく、各学校の規則で決まります。相談先は在籍校の担任か教務、県の教育委員会です。

よくある質問

起立性調節障害で登校できないとき、高校は休学以外の選択肢を認めていますか

施行規則と文部科学省の通知は、疾病による療養のため相当の期間欠席すると認められる生徒を「病気療養中等の生徒」とし、授業に代えた通信教育や遠隔授業を、単位数の制限なく行えるとしています。診断名がこの区分に当たるかは、診断書等を基に高校またはその管理機関が判断するとされており、このページでは判断しません。実施するかどうかは各学校長の判断です。

出典: 文部科学省「高等学校等における多様な学習ニーズに対応した柔軟で質の高い学びの実現について(通知)」、学校教育法施行規則(e-Gov法令検索)(2026-10-17確認)

体調不良で休んだ日は、出席扱いになりますか

通信教育で単位認定を行う場合の出欠は、各学校長の判断で出席扱いにできるとされています。学校外の施設に通う不登校生徒の出席扱いは別の通知で、要件を満たしたうえで校長が判断します。どちらも「できる」という書き方で、自動的に出席になるとは書かれていません。

出典: 文部科学省「高等学校等における多様な学習ニーズに対応した柔軟で質の高い学びの実現について(通知)」、文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(2026-10-17確認)

体調不良が続くとき、休学と転学のどちらも校長の許可が要りますか

休学と退学は、施行規則第94条により、校長の許可を受けるものです。転学は、第92条第1項により、在籍校の校長が書類を転学先の校長に送り、転学先の校長が教育上支障がない場合に許可できます。最初の相談先は、移りたい高校ではなく、いまの学校です。

出典: 学校教育法施行規則(e-Gov法令検索)(2026-10-17確認)