「何日休んだら留年するのか」「移ったら学年はどうなるのか」を調べると、いろいろな数字が出てきます。そのうち法令が全国共通で決めているものと、学校ごとの規則で決まるものは別です。まずそこを分けます。
法令が全国共通で決めていること
以下は学校教育法施行規則の条文です。要約ではなく原文をそのまま載せています。
第九十一条 (編入学)
第一学年の途中又は第二学年以上に入学を許可される者は、相当年齢に達し、当該学年に在学する者と同等以上の学力があると認められた者とする。
第九十二条第一項 (転学)
他の高等学校に転学を志望する生徒のあるときは、校長は、その事由を具し、生徒の在学証明書その他必要な書類を転学先の校長に送付しなければならない。転学先の校長は、教育上支障がない場合には、転学を許可することができる。
第九十二条第二項 (課程をまたぐ転学)
全日制の課程、定時制の課程及び通信制の課程相互の間の転学又は転籍については、修得した単位に応じて、相当学年に転入することができる。
第九十四条 (休学・退学)
生徒が、休学又は退学をしようとするときは、校長の許可を受けなければならない。
第九十六条第一項 (卒業の要件)
校長は、生徒の高等学校の全課程の修了を認めるに当たつては、高等学校学習指導要領の定めるところにより、七十四単位以上を修得した者について行わなければならない。(ただし書き以下略)
第九十七条第一項 (他校で修得した単位)
校長は、教育上有益と認めるときは、生徒が当該校長の定めるところにより他の高等学校又は中等教育学校の後期課程において一部の科目又は総合的な探究の時間の単位を修得したときは、当該修得した単位数を当該生徒の在学する高等学校が定めた全課程の修了を認めるに必要な単位数のうちに加えることができる。
第百条 (高卒認定試験の合格科目)
校長は、教育上有益と認めるときは、当該校長の定めるところにより、生徒が行う次に掲げる学修(当該生徒が入学する前に行つたものを含む。)を当該生徒の在学する高等学校における科目の履修とみなし、当該科目の単位を与えることができる。高等学校卒業程度認定試験規則(平成十七年文部科学省令第一号)の定めるところにより合格点を得た試験科目(同令附則第二条の規定による廃止前の大学入学資格検定規程(昭和二十六年文部省令第十三号。以下「旧規程」という。)の定めるところにより合格点を得た受検科目を含む。)に係る学修(以下略)
条文から言えること
- 卒業に必要なのは74単位以上です(第96条第1項)。日数ではなく単位で決まっています。
- 転学できるかどうかを決めるのは転学先の校長で、判断の基準は「教育上支障がない場合」です(第92条第1項)。
- 全日制・定時制・通信制の間で移るときは、修得した単位に応じて相当学年に転入できると書かれています(第92条第2項)。単位が引き継がれない仕組みではありません。
- いったん高校を離れた人が第2学年以上に入り直すこと(編入学)も認められています。要件は相当年齢に達していることと、その学年に在学する人と同等以上の学力があると認められることです(第91条)。
- 高等学校卒業程度認定試験で合格点を得た科目を、在学する高校の単位として認めることができると書かれています(第100条)。認めるかどうかは校長の判断です。
- 退学も休学も校長の許可が要ります(第94条)。
学校ごとの規則で決まること
出席日数や欠課時数の線引きは、法令には置かれていません。学校教育法施行規則が定めているのは74単位以上という要件までで、「年間の何分の1まで休んでよいか」は各学校の規則で決まります。
そのため、このサイトでは出席日数の目安となる数字を書きません。在籍校の生徒手帳や学則を確認し、担任または教務にお尋ねください。同じ県内でも学校によって違います。
学校ごとに違うのは、たとえば次のようなことです。
- 各科目で単位を認めるための出席・欠課の条件
- 単位を落としたときの補習や追試の扱い
- 転入学・編入学の考査を年に何回行うか、試験科目は何か
- 受入れの枠があるかどうか
転入学・編入学の実施時期については、都道府県が公表している範囲があります。都道府県別の公開状況から、自分の県の公式ページを確認してください。
用語の違い
| 言葉 | どういう状態の人か | 根拠 |
|---|---|---|
| 転学(転入学) | いま高校に在籍していて、別の高校に移る | 第92条 |
| 編入学 | いまは高校に在籍していない。第1学年の途中または第2学年以上に入る | 第91条 |
| 退学 | 在籍をやめる。校長の許可が要る | 第94条 |