高校進路デスク

高校の懲戒としての退学と自主退学の違い(校長の権限と退学の4要件)

懲戒の条文、退学の処分ができる4つの場合、自主的な退学との書き分けを原文で並べます。

机と椅子が並ぶ教室

このページでわかること

  • 退学処分: 学校教育法施行規則第26条は、懲戒のうち退学・停学・訓告の処分は校長が行い、退学は同条第3項の4つの場合のいずれかに当たる生徒に対して行えると定めています。
  • 自主的な退学: 文部科学省の生徒指導提要は、校長の許可をもらう退学は自主的な退学で、懲戒処分による退学とは別だと書いています。
  • 手続き: 提要は、懲戒の手続きについて法令上の規定はないとしています。「諭旨退学」「退学勧告」の語は、読んだ法令と提要には出てきませんでした。

高校で「退学処分」「諭旨退学」「自主退学」といった言葉を見聞きしたとき、法令と文部科学省の資料に書かれていることを原文で整理します。個別の事案でどう扱われるか、どう対応すべきかは判断しません。言葉の意味は用語集、退学するときの手続きとお金は高校を退学するときの手続きとお金で確かめられます。

懲戒は学校教育法第11条、退学は施行規則第26条にあります

学校教育法の第11条は、次のとおりです(e-Gov法令検索、2026-10-12確認)。

校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、文部科学大臣の定めるところにより、児童、生徒及び学生に懲戒を加えることができる。ただし、体罰を加えることはできない。

学校教育法施行規則の第26条第2項は、懲戒のうち退学・停学・訓告の処分は校長が行うと定めています(e-Gov法令検索、2026-10-12確認)。第1項は、懲戒を加えるときに、心身の発達に応ずるなど教育上必要な配慮をしなければならないと定めています。

退学の処分ができる場合は、4つに限られています

第26条第3項は、公立の小中学校などに在学する学齢児童・学齢生徒を除き、次のいずれかに当たる児童等に退学の処分を行えるとしています(2026-10-12確認)。高校生は、この除かれる側には入りません。

  1. 性行不良で改善の見込がないと認められる者
  2. 学力劣等で成業の見込がないと認められる者
  3. 正当の理由がなくて出席常でない者
  4. 学校の秩序を乱し、その他学生又は生徒としての本分に反した者

各号に具体的な例や基準は書かれていません。どの行為がどれに当たるかは、条文からは分からず、学校ごとの規則と、個別の判断になります。

自主的な退学は、校長の許可を受けて行う別のものです

文部科学省の「生徒指導提要(改訂版)」の第9章は、中途退学を「校長の許可を受け、又は懲戒処分を受けて退学することなど」と説明しています。校長の許可をもらう場合は自主的な退学で、懲戒処分における退学は施行規則第26条に懲戒の一つとして挙げられているものだ、と書き分けています(文部科学省「生徒指導提要(改訂版)」のページ、2026-10-12確認)。

休学や退学をしようとするとき校長の許可が要る点は、施行規則第94条にあります。休学との違いは休学・退学の違いと、退学後に戻る道で整理しています。

手続きについて、提要に書かれていること

生徒指導提要は、懲戒は学校教育法第11条に規定されているが、その手続きについて法令上の規定はないと書いています。そのうえで、懲戒を争う訴訟が起こされる場合もあるため、学校は懲戒に関する基準をあらかじめ明確にして、児童生徒や保護者に周知し、理解と協力を得ておく必要がある、としています。また、本人や関係者の言い分をしっかり聴き、事実関係の確認を含めた適正な手続きを経る必要がある、と書いています(2026-10-12確認)。

「弁明の機会」を何回、どのような形で与えるかは、読んだ法令と提要には書かれていません。学校の生徒指導規程や学則で決まるため、手続きの中身は在籍している高校に確かめます。

「諭旨退学」「退学勧告」という言葉について

施行規則第26条が挙げる懲戒は、退学・停学・訓告の処分です。「諭旨退学」「退学勧告」という言葉は、読んだ学校教育法、施行規則、生徒指導提要の該当箇所には出てきませんでした。これらの言葉の意味や、自主的な退学とどう違うかは、法令では定められておらず、学校の規則や運用に任されています。同じ言葉でも学校によって指すものが違う可能性があるため、聞いたときは、その学校の規則でどう定義されているかを確かめます。

退学したあとの道について

このページの範囲。学校教育法第11条、施行規則第26条、文部科学省の生徒指導提要(改訂版)の該当箇所を読んでまとめました。個々の高校の生徒指導規程や、裁判例は読んでいません。個別の事案で処分が妥当か、どう対応するかは判断しません。在籍している高校と、県の教育委員会に確かめてください。

よくある質問

高校の退学処分は、誰が決めますか

施行規則第26条第2項は、懲戒のうち退学・停学・訓告の処分は校長が行うと定めています。

出典: 学校教育法施行規則(e-Gov法令検索)(2026-10-12確認)

退学の処分ができるのは、どんな場合ですか

施行規則第26条第3項は、性行不良で改善の見込がないと認められる者、学力劣等で成業の見込がないと認められる者、正当の理由がなくて出席常でない者、学校の秩序を乱し学生又は生徒としての本分に反した者のいずれかに退学の処分を行えるとしています。どの行為が当たるかは条文からは分かりません。

出典: 学校教育法施行規則(e-Gov法令検索)(2026-10-12確認)

自主退学と、懲戒としての退学は同じですか

文部科学省の生徒指導提要は、校長の許可をもらう退学は自主的な退学、懲戒処分における退学は施行規則第26条の懲戒の一つ、と書き分けています。

出典: 文部科学省「生徒指導提要(改訂版)」のページ(2026-10-12確認)

諭旨退学は、法令で決まっていますか

読んだ学校教育法、施行規則、生徒指導提要の該当箇所には、「諭旨退学」の語は出てきませんでした。意味や手続きは学校の規則で決まるため、在籍している高校に確かめてください。

出典: 学校教育法施行規則(e-Gov法令検索)、文部科学省「生徒指導提要(改訂版)」のページ(2026-10-12確認)