高校の転校(公立高校の転入学。いま在籍している高校から別の高校へ移ること)の手続きを、県の案内がどんな順番で書いているかを、北海道・新潟県・富山県・福島県・広島県・愛知県・茨城県・群馬県・鹿児島県の9道県で並べました。愛知県を除く8道県は、最初に動く先は移りたい高校ではなく、いま在籍している高校と読める書き方です。愛知県は、移りたい高校(出願希望校)への連絡と相談から始まると書いています。違いは、その後の段階の数、書類を出す順番、受験できる学校の数にあります。
愛知県を除く8道県に共通して書かれている順番
- いま在籍している高校の先生に相談する。
- 在籍校から、移りたい高校へ連絡・照会してもらう。
- 移りたい高校へ、願書や書類を出す。
- 転入学試験を受ける(広島県の案内は、試験の時期を「概ね7月から8月下旬、12月中旬から下旬、3月中旬から下旬」としています)。
転学・転入学・編入学などの言葉の意味は転学・編入学・再入学・休学・退学の用語集で確かめられます。県をまたぐ転居で元の県と移る先の県のどちらを先に見るかは県をまたぐ転居の転入学にあります。
この流れは、愛知県を除く8道県の案内に共通して読み取れます。ただし、各段階の呼び方や書類の出し方、日程の伝わり方は県ごとに違い、福島県の資料と鹿児島県の案内は途中の段階を細かく書いていません。愛知県の案内では、出願希望校へ連絡して教頭または教務主任に相談し、その相談を通して出願校を決めたあとで、必要書類を整えます。在籍校が出てくるのは、転学照会・在学証明書・成績証明書を作る書類の段階です。
県ごとの順番の比べ表
| 順 | 北海道 | 新潟県 | 富山県 | 福島県 | 広島県 | 愛知県 | 茨城県 | 群馬県 | 鹿児島県 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 在籍校の先生に相談し、転学する学校を決めて「転学願」を在籍校へ出す | 転入学したい高校の候補を選び、在籍校の担任に相談する。在籍校へ「転学願」を出す | 在籍校から希望校へ転学照会する(余裕を持って連絡を取るよう案内) | 在学している高校の教員に相談する | 在籍校に相談し、転入学したい高校を決める | 出願希望校へ連絡して教頭または教務主任に相談し(学校の様子がわかる資料と本人の学習成果を示すものを用意)、出願校を決める | 転学を希望する場合は、まず在籍校に相談する | 担任の先生に事情などを相談する | 在籍している高校に相談する |
| 2 | 在籍校が志望校へ「転学照会」。在学証明書と成績証明書を送る | 在籍校が事前に電話などで受入れの可否を打診し、定員に余裕があれば文書で「転学照会」 | 学校間で必要な書類をやりとりする | 在学校が、希望する高校に連絡して手続きを進める | 在籍校から希望校へ、受入れ枠の有無や教育課程を問い合わせてもらう | 出願に必要な書類を整える(転入学出願届受理証明書は県教育委員会で受理、転学照会・在学証明書・成績証明書は在籍校で作成、転入学願は出願校で交付) | 在籍校が志願先の高校へ連絡をとり、定員に空きがあるか、教育課程上支障がないかなどを確認する | 在籍校の校長が、転入学を希望する高校の校長に連絡して事情を説明する | 在籍校が、転入したい高校に転入学の照会や手続きをとる |
| 3 | 志望校へ転入学願書を出す | 照会先の高校から、回答と試験の日程・内容の通知が届く | 転入学試験の実施日程を確認する | 試験の日程・科目は、希望校から在学校を通じて連絡される | 受入れが確認できたら、希望校に転入学願書などの用紙を請求する | 出願校へ書類を提出する(手続きは考査日の1週間前までに終える) | 確認後、転学の手続きをとる | 転入学検査を受検する | - |
| 4 | 志望校から在籍校を通じて試験日が通知される | 通知に従って転入学試験を受ける | 転入学試験を受ける | (資料には、これ以降の順番の記載なし) | 在籍校に、転学照会書・在学証明書・成績証明書を作ってもらう | 出願校で考査の日時・科目などを確認する | 志願先校で転学試験を受ける | 志願先の校長が認めると、転入学できる | - |
| 5 | 転学試験を受ける | 校長が総合的に判断して可否を決め、在籍校の校長に通知する | 合否の発表(試験当日に発表) | - | 必要書類がそろったら、期限内に希望校へ提出する | 受検する | 志願先校が、同学年の生徒と同等以上の学力、教育上支障のないことなどを総合的に判断する | - | - |
| 6 | 合格後、志望校へ必要書類を出す | 不合格なら、在籍校から次の候補の高校へ照会する | - | - | - | - | - | - | - |
表の「-」は、その段階が無いという意味ではなく、案内に書かれていないという意味です。広島県の案内は書類の準備の順を細かく書き、福島県の資料は連絡の流れを短く書くだけで、書き方の細かさが県で違います。
県ごとに違うところ
同時に何校まで進められるか
- 新潟県: 「転学照会」は同時に複数の学校へ行うことはできず、1校ずつ手続きをすると書かれています。不合格なら、次の候補へ照会し直します。
- 富山県: 日程が重ならない限り、複数校の転入学試験を受けられます。複数校を受ける場合は、最初に転入学が許可された学校に転入学すると書かれています。
- 広島県: 試験の実施日が異なれば複数の高校を受験できます。原則として、最初に合格した高校に入学すると書かれています。
- 北海道・福島県・愛知県・茨城県・群馬県・鹿児島県の案内には、複数校の扱いの記載を確認できませんでした。
書類を出す順番
北海道は、転学願を在籍校へ出し、在籍校が照会を行ったあとで、移りたい高校へ転入学願書を出す順番です。広島県は、受入れが確認できてから願書の用紙を請求し、在籍校に作ってもらった転学照会書などとあわせて出します。新潟県は、試験日程や提出書類を高校ごとに確かめるよう案内しています。愛知県は、出願校が決まってから書類を整え、考査日の1週間前までに出願校へ出す順番です。
合否の連絡
富山県は試験当日に合否を発表すると書き、新潟県は校長が可否を決めて在籍校の校長に通知すると書いています。北海道は、合格後に必要書類を出す段階を最後に置いています。茨城県は、志願先校が試験の結果などを総合的に判断すると書き、群馬県は、検査のあとで志願先の校長が認めると転入学できると書いています。
この表から言えること
愛知県を除く8道県は、保護者が移りたい高校へ直接申し込む形ではなく、在籍校を窓口にする形で書かれています。愛知県は、出願希望校へ連絡して相談する形で、連絡する人は案内に明記されていません。新潟県は「保護者が直接行うのではなく、あくまで現在在籍する高校が転入学を希望する本県の高校との間で行います」と書いています。移りたい県の案内の順番に沿い、まず在籍校の担任か教務に相談するのが、8道県に共通する最初の一歩です。手続きがいまの学校から始まる理由は法令と県の案内でも整理しています。
手続きで行き違いやすい点(東京都の案内の例・3点)
東京都教育委員会の案内(更新日2026年6月23日)に書かれている、順番や条件を取り違えると手続きが進まない点です。他の都道府県の仕組みは違うことがあるので、各県の案内で確かめてください。
- 単位の照合は、出願の前。志願先の都立高校が、転学前に修得した単位と自校のカリキュラムを照合し、卒業に必要な単位を修得できるかを確認します。この照合は出願前に行うものとされ、志願先の都立高校へ早めに依頼するよう案内されています。
- 転学照会書は、いま在籍している高校の校長が発行する。転学の出願書類に含まれ、移りたい高校では用意できません。
- 複数の高校に出願できるが、条件がある。学力検査などの日程は高校ごとに異なるため、最初に合格した高校へ転学・編入学し、それ以降の受検を辞退することを条件に、複数の高校へ出願できます。
次に読む: 受付の時期は転入学・編入学の受付時期の一覧、手続きの順番は9道県の比較、お金は就学支援金など学費の支援で確かめられます。
生活保護を受けている世帯の高校生に出る教材代・通学費などは、生活保護世帯の高校生の高等学校等就学費に告示の原文から整理しています。
よくある質問
移りたい高校に、保護者が直接申し込めますか
新潟県の案内は、転入学の手続きは「保護者が直接行うのではなく、あくまで現在在籍する高校が転入学を希望する本県の高校との間で行います」と書いています。北海道は、転学願を在籍校へ出し、在籍校が照会を行う順番です。広島県も、在籍校に相談して希望校を決め、在籍校から受入れ枠の有無などを問い合わせてもらう流れです。他の県の扱いは、移りたい県の案内で確かめてください。
複数の高校の転入学試験を受けられますか
県で書き方が違います。新潟県は、「転学照会」は同時に複数の学校へ行うことはできず、1校ずつ手続きをすると書いています。富山県は、日程が重ならない限り複数校の試験を受けられ、最初に転入学が許可された学校に転入学すると書いています。広島県は、試験の実施日が異なれば複数の高校を受験でき、原則として最初に合格した高校に入学すると書いています。北海道・福島県の案内には、複数校の扱いの記載を確認できませんでした。
試験の結果は、いつ、誰から伝えられますか
県で書き方が違います。富山県は、合否を試験当日に発表すると書いています。新潟県は、校長が転入学試験などを総合的に判断して可否を決め、在籍校の校長に通知すると書き、不合格のときは在籍校から次の候補の高校へ照会し直す流れです。福島県の資料は、試験の日程・科目が希望校から在学校を通じて連絡されると書いていますが、結果の伝え方は書かれていません。
手続きの順番を読んだあとに調べること
試験で納める費用は転入学・編入学の考査料の比較、出願のときに出す書類は提出書類と試験科目の比較に、公式ページの原文で並べています。転校のときの就学支援金の手続きは、転校するときの就学支援金の手続き(受給資格消滅通知)で整理しています。
このページの範囲。9道県の教育委員会などが公表している案内の整理です。個別の事情で転入学できるか、合格できるかは判断しません。電話番号とメールアドレスは写していません。手続きは年度で変わることがあるため、在籍している高校と、移りたい高校または県の高校教育課に確かめてください。他の県の公表状況は都道府県別の公開状況、受け入れの条件の比較は転入学・編入学が認められる条件の比較、受付や試験の時期は転入学・編入学の受付時期で確認できます。
次に確認すること
- 期限: 転入学・編入学の受付時期を県別に見る
- お金: 就学支援金など学費の支援の仕組み
- 続けるか: 休学・退学の違いと、退学後に戻る道