高校の転校(公立高校の転入学・転学)が認められる条件を、県の案内がどう書いているかを、北海道・福島県・香川県・茨城県・長野県・新潟県・広島県・栃木県・石川県・山梨県・和歌山県・群馬県の12道県で比べました。見たのは「保護者の転居などの事情」「定員の余地」「教育課程の照らし合わせ」「試験」の4点です。どの道県も転居などの事情や学校側の確認を前提にしている一方、定員や試験の書き方は分かれます。案内に書かれていない点は「記載なし」としています。
条件の比べ表
| 道県 | 保護者の転居などの事情 | 定員(欠員) | 教育課程・学習の継続 | 試験・学力 |
|---|---|---|---|---|
| 北海道 | 保護者の転勤などにより保護者と生徒が転居すること(主な要件の1つ) | 希望する高校に受入れ定員の余地があること | 在籍校と希望校の教育課程を照合し、受入れが可能か確認が済んでいること | 希望する高校の試験に合格すること。内容は高校ごとに異なる |
| 福島県 | 一家転住や保護者の住居移転などで、通学区域に居住することになり、いまの高校に通うことが困難な状況(例外のア〜ウあり) | 希望する高校に定員上の余地があること | 履修科目や単位数から、転入学後に学習の継続が可能と認められること | 条件がそろった場合に、希望校の転入学試験に合格すること |
| 香川県 | 一家転住などやむをえない事情があること | 受け入れる定員の余裕があること | 教育課程の間に著しい差異がないこと | 入学できる学力を有すること。通学区域に関する規則に違反しないこと |
| 茨城県 | 一家転住・進路の変更・家庭の事情の変化・健康上の理由のいずれかで、在籍校の校長が転学が望ましいと認めること。全日制は原則として保護者とともに県内に居住 | 在籍校に相談後、志願先へ連絡して、定員に空きがあるかを確認する | 志願先校の校長が、教育課程上継続的に学習できると認めること。在籍学年の課程を修了する見込みがあること | 志願先校の転学試験で、同学年の生徒と同等以上の学力を有することなどが総合的に判断される |
| 長野県 | 一家転住が原則 | 欠員の有無にかかわらず、教育上支障がない限り入学を認めるようにしている | 事情、科目の履修状況、転校後の就学の可能性などを検討する | 転入学試験の結果も参考にして可否を決める |
| 新潟県 | 保護者の転勤に伴う一家転居などの正当な事由がある場合 | 受け入れが可能な場合に限り、校長の裁量で受け入れる。定員に余裕があるときに正式に照会する | 記載なし | 転入学試験などを総合的に判断して、校長が可否を決める |
| 広島県 | 保護者の転勤等に伴う一家転住で、いまの高校に物理的に通えなくなった場合など | 受入れ枠のない学校では、実施しない場合がある | 原則として同一の課程・学科・学年で転入学(単位制は修得単位と在学期間に応じる) | 転入学試験は概ね7月から8月下旬、12月、3月に実施 |
| 栃木県 | 転入学の時期は学年の始めが原則。県外からの一家転住など、真にやむを得ない事情がある場合は、この限りではない | 記載なし | 同一課程・同一学科が原則。教育課程の違いで単位が足りなくなる場合は、転入学後に不足分を補う | 転入学考査の内容は各高校が定める |
| 石川県 | 一家転住などの特別な事情がある場合に受け入れる。県外からの転入学は、本人と保護者が県内に居住することが原則 | 記載なし | 記載なし | 一般に学期末に転入学試験を実施し、学期初めの受入れとなると思われる、と書く |
| 山梨県 | 一家転住などの特別な事情がある場合 | 記載なし | 教育課程上支障がない場合 | 記載なし(各学校に転入学の基準があると書く) |
| 和歌山県 | 一家転住等、やむをえない正当な理由があること。全日制は生徒と保護者が県内に住所を有することが確実であること | 転入校で教育上支障のないこと(定員など) | 前の学校と転入校の教育課程に大きな差異がないこと | 各学校により異なるが、原則として学科試験と面接等を行う |
| 群馬県 | 保護者の転勤等による一家転住や、家庭環境の変化等による場合(県外からの転入学) | 記載なし | 同一課程・同一学科の高校への転入学を原則として認める | 転入学検査を受検したあと、校長が認めれば転入学できる |
見比べて分かること
- 転居の事情を条件に書く道県が多い。北海道・福島県・香川県・長野県・新潟県・広島県・石川県・山梨県・和歌山県・群馬県は、一家転住や保護者の転勤などを条件または原則に書いています。栃木県は、一家転住などの事情を転入学の時期の例外として書いています。茨城県は、一家転住のほか、進路の変更・家庭の事情の変化・健康上の理由も、在籍校の校長が認める場合に並べています。
- 定員の書き方は4通りと「記載なし」。「定員の余地がある」ことを条件にする道県(北海道・福島県・香川県)、受け入れが可能な場合に限り受け入れる県(新潟県)、欠員の有無にかかわらず入学を認めるとする県(長野県)、教育上支障がないこと(定員など)と書く県(和歌山県)に分かれます。栃木県・石川県・山梨県・群馬県の案内には、定員の記載を確認できませんでした。
- 教育課程の確認は、多くの道県が書いている。新潟県・石川県の案内には、この点の記載を確認できませんでした。栃木県・群馬県は同じ課程・学科への転入学を原則と書き、山梨県は教育課程上支障がない場合と書いています。
- 試験は、書いている道県の多くが前提にしている。山梨県の案内には、試験の記載を確認できませんでした。内容は高校ごとに違うと書く道県が多く、条件の表だけでは科目や日程は分かりません。時期は受付時期の一覧を見てください。
手続きの順番の違いは転入学の手続きの順番の比較、提出書類と試験科目の違いは提出書類と試験科目の比較に並べています。
よくある質問
保護者の転居がないと、転入学の対象にならないのですか
県で書き方が違います。長野県は「一家転住が原則」と書き、広島県は保護者の転勤等に伴う一家転住で、いまの高校に物理的に通えなくなった場合などを挙げています。茨城県は、一家転住のほか、進路の変更・家庭の事情の変化・健康上の理由のいずれかで、在籍校の校長が転学が望ましいと認めることを並べています。自分の事情が当たるかどうかは、在籍校と移りたい県の案内で確かめてください。
欠員(定員の空き)がないと、受け入れてもらえませんか
県で書き方が分かれます。北海道・福島県・香川県は、希望する高校に定員(受入れ)の余地があることを条件の1つに挙げています。新潟県は、受け入れが可能な場合に限り校長の裁量で受け入れると書いています。長野県は「欠員の有無にかかわらず、教育上支障がない限り入学を認めるようにしています」と書いています。空きがない場合の扱いが書かれていない県もあるため、希望校に確かめてください。
条件を満たしていれば、試験は受けなくてよいですか
このページの12道県のうち、山梨県を除く案内には、試験または学力の確認が書かれています。北海道は希望する高校の試験に合格すること、福島県は条件がそろった場合に転入学試験に合格すること、香川県は入学できる学力を有することを挙げています。長野県は転入学試験の結果も参考にして可否を決めると書き、新潟県は校長が転入学試験などを総合的に判断すると書いています。試験の内容は高校ごとに違うと書く道県が多く、時期は受付時期の一覧で確かめられます。
このページの範囲。12道県の教育委員会などが公表している案内の整理です。個別の事情で転入学できるか、合格できるかは判断しません。他に専用ページのある県は都道府県別の公開状況から見られます。手続きは年度で変わることがあるため、在籍している高校と、移りたい高校または県の高校教育課に確かめてください。