このページでわかること
- ヤングケアラー: 子ども・若者育成支援推進法で「家族の介護その他の日常生活上の世話を過度に行っていると認められる子ども・若者」とされ、国や自治体が支援に努める対象です。
- 学校の役割: 文部科学省の資料は、登校状況の変化などへの気づき、福祉の担当部署との情報の共有、個別の学習支援などの必要な支援、進学時の引継ぎを学校に求めています。
- 出席・単位: ヤングケアラーの欠席や遅刻の扱い、単位の認定を定めた通知は、読んだ範囲では確認できませんでした。出席や単位は学校ごとの規則で決まります。
家族の世話や介護で、欠席や遅刻が続く高校生について、学校がどう対応するよう文部科学省が求めているかを整理します。出席や単位の扱いについて、公表資料から確かめられたことと確かめられなかったことを分けて示します。個別の事情でどうなるかは判断しません。欠席が続くときの出席扱いの通知は高校の不登校生徒の出席扱い、休学の仕組みは高校を長く休むときの休学と支援金にあります。
ヤングケアラーとは
文部科学省のページは、子ども・若者育成支援推進法で、ヤングケアラーは「家族の介護その他の日常生活上の世話を過度に行っていると認められる子ども・若者」とされ、国・地方公共団体等が各種支援に努めるべき対象とされていると書いています(文部科学省「ヤングケアラーについて」、2026-10-12確認)。
学校等の役割をまとめた資料は、家庭内で子どもが担う「お手伝い」と比べて、ヤングケアラーは年齢や成長の度合いに見合わない重い責任や負担を負っている、と説明しています。国や自治体の支援の対象となる年齢は30歳未満(状況によっては40歳未満)とされています(文部科学省「ヤングケアラー支援における学校等の役割について」(別添1)、2026-10-12確認)。
全国の調査で分かっていること
文部科学省と厚生労働省が連携して行った令和2年度の調査では、世話をしている家族が「いる」と答えた生徒は、全日制高校の2年生で4.1%(回答者7,407人)でした。「いる」と答えた高校2年生が、世話をしているためにやりたいのにできていないこととして挙げたものは、次のとおりです(複数回答、文部科学省・厚生労働省「ヤングケアラーの実態に関する調査研究のポイント」、2026-10-12確認)。
- 自分の時間が取れない: 16.6%
- 宿題をする時間や勉強する時間が取れない: 13.0%
- 友人と遊ぶことができない: 11.4%
- 睡眠が十分に取れない: 11.1%
- 特にない: 52.1%
学校に求められていること
令和7年7月28日付の文部科学省の事務連絡は、都道府県・指定都市の教育委員会や、私立学校・高等課程を置く専修学校の担当課などに宛てて、ヤングケアラー支援における学校等の役割を周知したものです(文部科学省の事務連絡のページ、2026-10-12確認)。別添の資料には、学校の役割が次の4段階で書かれています(文部科学省「ヤングケアラー支援における学校等の役割について」(別添1))。
- 気づき: 教職員は、登校状況や生活態度の変化などの些細な変化に気づくことができる。スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーが、家庭内での役割に気づく場合もある。
- 情報集約: 「ヤングケアラーかもしれない」と気づいたときにそのままにしない。本人の同意が得られず個人情報を伏せなければならない場合も、学校だけで抱えず、その時点で分かっている情報(個人情報を除く)をもとに、ヤングケアラー支援担当部署に今後の対応を相談する。
- 支援: 長期にわたって家族のケアを担うと、学校に通えず勉強する機会が失われたり、友達と十分に関われなかったりする。学校等は、支援担当部署を含む関係機関と連携して、個別の学習支援等の必要な支援を実施することが求められる。
- 見守り: 支援が終わった後も、日頃から見守りを行う。進学などで状況が変わるときは、切れ目なく見守れるよう引継ぎ等を行う。
この資料に書かれているのは、学校や教育委員会が取る対応の考え方です。生徒や保護者が申請する手続きの案内ではありません。
出席・欠席・単位の扱いについて確認できたこと
文部科学省の「ヤングケアラーについて」のページ、令和7年7月28日付の事務連絡、別添の「学校等の役割」の資料を読みましたが、ヤングケアラーの欠席・遅刻を出席として数えるかどうか、単位の認定でどう扱うかを定めた通知は、確認できませんでした。別添の資料にも、「出席」「単位」「欠席」の語は出てきません。
そのため、出席日数や単位の扱いは、各高校が定める規則に沿って決まると考えられます。出席や欠課の基準が学校ごとの規則で決まることは法令が決めていることにまとめています。学校外の施設で相談・指導を受けた日数を出席扱いにできる通知は、不登校の生徒について出されたもので、ヤングケアラーに限ったものではありません(高校の不登校生徒の出席扱い)。
なお、このページが読んだのは文部科学省の資料です。都道府県や市区町村が独自に出している案内、各学校の規則は読んでいません。
このページの範囲。文部科学省が公表している資料の内容を整理しました。個別の家庭の状況で、出席や単位がどう扱われるかは判断しません。本人への助言もしません。相談先は、在籍校の担任・養護教諭・スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカー、設置者の教育委員会です。続ける・移る・やめるの違いは休学・退学・編入学の違いにあります。
よくある質問
ヤングケアラーとは、どんな人のことですか
子ども・若者育成支援推進法で、「家族の介護その他の日常生活上の世話を過度に行っていると認められる子ども・若者」とされています。文部科学省は、年齢や成長の度合いに見合わない重い責任や負担を負っている点を、お手伝いとの違いとして説明しています。
家族の世話で学校を休みがちなとき、学校は何をするよう求められていますか
文部科学省の資料は、気づき、情報集約、支援、見守りの4段階を挙げています。学校だけで抱えず、支援担当部署と連携し、個別の学習支援等の必要な支援を行うことが求められる、と書かれています。
家族の世話で休んだ日は、出席になりますか
ヤングケアラーの欠席を出席として扱うかを定めた通知は、読んだ文部科学省の資料では確認できませんでした。出席の扱いは各高校の規則で決まるため、在籍校に確かめてください。
高校生のうち、世話をしている家族がいる人はどのくらいいますか
令和2年度の全国調査で、世話をしている家族が「いる」と答えた全日制高校2年生は4.1%でした。調査は令和3年にまとめられたものです。
次に確認すること
- 期限: 転入学・編入学の受付時期を県別に見る
- お金: 就学支援金など学費の支援の仕組み
- 手続き: 転入学の手続きの順番を9道県で比べる
- 続けるか: 休学・退学の違いと、退学後に戻る道
- 県別一覧: 都道府県別の転入学・編入学の公表状況一覧(47都道府県)