このページでわかること
- 休学・退学の許可: 学校教育法施行規則第94条は、生徒が休学または退学をしようとするときは、校長の許可を受けなければならないと定めています。
- 就学支援金: 高等学校等就学支援金の支給に関する法律第8条は、休学した場合に、申し出れば支給が停止されると定めています。
- 病気療養中の生徒: 文部科学省の通知は、通信教育での単位認定の場合に、学校長の判断で出席扱いにできるとしています。休学の期間や復学の条件は、読んだ法令に出てきません。各学校の規則と県の案内で確かめます。
病気やけがなどで高校を長く休むことになったとき、休学・復学・転学について、法令に書かれている範囲を整理します。休学と退学の違い、退学後に戻る道は休学・退学の違いと、退学後に戻る道にあります。言葉の意味は用語集で確かめられます。妊娠したときの扱いは高校生が妊娠したときの就学継続、外国への留学は高校生の外国への留学にあります。
休学には、校長の許可が要ります
学校教育法施行規則の第94条は、次のとおりです(e-Gov法令検索、2026-10-09確認)。
生徒が、休学又は退学をしようとするときは、校長の許可を受けなければならない。
休学できる期間の長さや、復学の手続きは、この条文には書かれていません。第4条は、学則に「入学、退学、転学、休学及び卒業に関する事項」を記載しなければならないと定めています。そのため、期間や必要な書類は、各学校の学則で決まります。
休学したときの就学支援金
高等学校等就学支援金の支給に関する法律の第8条第1項は、次のとおり定めています(e-Gov法令検索、2026-10-09確認)。
就学支援金は、受給権者が支給対象高等学校等を休学した場合その他の政令で定める場合において、受給権者が、文部科学省令で定めるところにより、支給対象高等学校等の設置者を通じて、都道府県知事に申し出たときは、政令で定めるところにより、その支給を停止する。
同条第2項は、支給が停止された月を、同法第3条第2項第2号の期間の計算では、高等学校等に在学していた月に該当しないものとみなすと定めています。支援金の種類や金額は、このページでは確認していません。仕組みの違いは支援金の違いにまとめています。令和8年3月までの旧制度と4月からの新制度の違いは就学支援金の新制度と旧制度の違い、退学したあとに再び高校で学ぶときの支援は学び直し支援金とはに載せています。
休学のあとに、別の高校へ移るとき
転学の書類の流れは、同じ施行規則の第92条第1項で、転学を志望する生徒がいるとき、書類を転学先の校長へ送るのはいまの学校の校長とされています。最初の相談先は、移りたい高校ではなく、いまの学校の担任か教務です。法令と県の案内で整理しています。県ごとの受入れの公表は都道府県別の公開状況、受付時期は受付時期の一覧で見られます。
休学から先の分かれ道:法令に書かれていること
休学を許可されたあとの道を、復学・転学・退学に分けて、上で引いた条文に書かれていることと書かれていないことを並べます(2026-10-09確認)。個々の人がどの道に当たるかは判断しません。
| 道 | 条文に書かれていること | 条文に書かれていないこと(学校・県で確かめる) | くわしいページ・出典 |
|---|---|---|---|
| はじめ:休学 | 第94条は、休学をしようとするとき校長の許可を受けなければならないと定めています。就学支援金法第8条は、休学した場合に、申し出れば支給を停止すると定めています。 | 休学できる期間の長さ。学則に記載する事項とされています(第4条)。 | 休学の許可、就学支援金(施行規則、就学支援金法) |
| 復学(もとの高校へ戻る) | 復学そのものの手続きを定めた条文は、このページで読んだ範囲にありません。 | 復学の願い出る先・許可・診断書など。各学校の学則と県の規則で決まります。 | 休学中の復学の手続き |
| 転学(別の高校へ移る) | 第92条第1項は、転学を志望する生徒があるとき、校長は、その事由を具し、在学証明書その他必要な書類を転学先の校長に送付しなければならないと定めています。転学先の校長は、教育上支障がない場合には、転学を許可することができます。 | 転学先の受入れの可否と時期。県の案内や学校ごとに違います。 | 休学のあとに、別の高校へ移るとき、都道府県別の公開状況(施行規則) |
| 退学(高校をやめる) | 第94条は、退学をしようとするときも校長の許可を受けなければならないと定めています。就学支援金法第3条は、支給の対象を高等学校等に在学する生徒としています。 | 退学届の様式や出し方。戻る道(再入学・編入学・高卒認定)の扱いは、学校や県で違います。 | 高校を退学するときの手続きとお金(施行規則) |
自宅などで学ぶ授業について、施行規則に書かれていること
第96条第2項第2号は、全課程の修了に必要な74単位のうち、遠隔の授業(第88条の3に規定する授業の方法)で修得する単位数について、次の場合を別に扱い、36単位を超えないものとすると定めています。
高等学校が、学校生活への適応が困難であるため、相当の期間当該高等学校を欠席し引き続き欠席すると認められる生徒に、その学修の継続のため、当該授業を自宅その他特別な場所で履修させる場合に係るもの
病気療養中の生徒について、文部科学省の通知に書かれていること
文部科学省は、令和5年12月28日公布の学校教育法施行規則の改正にあわせて、「高等学校等における多様な学習ニーズに対応した柔軟で質の高い学びの実現について(通知)」(5文科初第2030号)を出しています(文部科学省の通知のページ、2026-10-09確認)。通知は、病気療養中の生徒を、次のように書いています。
疾病による療養のため又は障害のため、相当の期間高等学校を欠席すると認められる生徒(以下「病気療養中等の生徒」という。)
通知が、病気療養中等の生徒について書いている点は次の3つです。
- 通信教育(施行規則第88条の4): 教育上有益と認めるとき、高等学校は授業に代えて通信教育を行うことができる。
- 単位数(施行規則第96条第4項): 病気療養中等の生徒に対する遠隔授業と通信教育は、「単位数の制限無く行うことができる」。
- 出席扱い: 通信教育により単位認定を行う場合、出欠の記録は、各学校長の判断により出席扱いとすることができる。その場合は、備考欄等に、出席日数の内訳として出席扱いとした日数を記入する。
病気療養中等の生徒にあたるかどうかは、通知によると、疾病や障害に関する医師等の専門家による診断書等を基に、高等学校またはその管理機関が判断します。通知は、これらの制度を各学校に義務づけるものではなく、各学校長の判断で実施できるものとしています。
県が病気療養中の生徒について案内している窓口(3県)
県の教育委員会が、入院や療養中の高校生の学習について専用のページを置いていることがあります。公式ページで確認できたのは、次の3県です(2026-10-09確認)。ほかの県は、このページでは調べていません。
| 県 | 公式ページに書かれていること | 公式ページ |
|---|---|---|
| 宮城県 | 病気やけがで長期入院、またはその後に自宅療養をしている高校生に、所属校と相談のうえ、カンファレンスや遠隔授業などの学習支援と復学への支援をおこなうとしています。入院が決まったら、まず在籍する高校に相談し、県立高校の場合は学校と「医教連携コーディネーター」が連絡をとりながら、入院先の病院と学習支援を相談します。問い合わせ先は高校教育課教育指導第一班です | 宮城県教育委員会「入院生徒に対する教育保障体制整備事業」 |
| 栃木県 | 特別支援学校の病院内分教室(岡本特別支援学校おおるり分教室、栃木特別支援学校ひばり分教室)が、入院中の高校生の自主学習と在籍高校の授業を支える、としています。手続きは、主治医の許可、分教室の教員による教育相談、在籍高校から特別支援学校への申込書の提出、同意書の提出の順です。問い合わせ先は県教育委員会事務局特別支援教育室 | 栃木県「特別支援教育に関する資料」、リーフレット「入院高校生の支援について」(PDF) |
| 岡山県 | 小児がんや難病の治療のために長期療養をしている児童生徒等への学習・復学支援の一環として、市町村教育委員会、学校、保護者などの相談に応じる「長期療養児教育サポート相談窓口」を開設しているとしています。窓口は県教育庁特別支援教育課内に置かれています。公式ページの対象は「児童生徒等」と書かれ、高校生に限った案内ではありません | 岡山県教育委員会「長期療養児教育サポート相談窓口」 |
学校に行けない状態が続くとき、学校外の施設で相談・指導を受けた日数の扱いは高校の不登校生徒の出席扱いにまとめています。
このページの範囲。学校教育法施行規則と就学支援金の法律の条文の整理です。病気やけがの場合の休学期間と復学の条件は、読んだ条文に書かれていなかったため、このページでは扱っていません。文部科学省の通知は、通信教育と出席扱いの部分だけを読みました。県の案内は、宮城県・栃木県・岡山県の3県だけを読みました。個別の事情でどうなるかは判断しません。いまの学校と、県の教育委員会に確かめてください。
よくある質問
休学は、誰の許可で決まりますか
学校教育法施行規則第94条は、生徒が休学または退学をしようとするときは、校長の許可を受けなければならないと定めています。期間や書類は学校の学則で決まります。
休学すると、就学支援金はどうなりますか
就学支援金の法律の第8条第1項は、休学した場合に、受給権者が学校の設置者を通じて都道府県知事に申し出ると、支給を停止すると定めています。申し出が要る点に注意が必要です。手続きの詳しい方法は、学校に確かめてください。
休学したまま、別の高校に移れますか
読んだ法令には、休学中の転学についての定めは出てきませんでした。転学の書類は、いまの学校の校長が転学先の校長に送るとされているため、まずいまの学校に相談してください。
次に確認すること
- 期限: 転入学・編入学の受付時期を県別に見る
- お金: 就学支援金など学費の支援の仕組み
- 手続き: 転入学の手続きの順番を9道県で比べる
- 続けるか: 休学・退学の違いと、退学後に戻る道
- 県別一覧: 都道府県別の転入学・編入学の公表状況一覧(47都道府県)