このページでわかること
- 退学の手続き: 学校教育法施行規則第94条は、生徒が退学をしようとするとき校長の許可を受けなければならないと定めています。退学届の様式や出し方は、法令に書かれていません。
- 就学支援金: 就学支援金法第3条は、高等学校等に在学する生徒に支給すると定めています。神奈川県は、受給資格の認定を受けていた生徒が退学・転学すると「受給資格消滅通知」を発行し、再入学や転学の際に提出を求めています。
- 県の奨学金: 神奈川県の高校奨学金は、退学後に手続きをしないと、退学時から6か月据え置きの後に返還が始まると案内しています。返還猶予の申請書があります。他の県の扱いはこのページでは調べていません。
高校を退学するときに、公的な資料に書かれている手続きとお金の扱いを整理します。退学を勧めるページではありません。続ける道、移る道は休学・退学の違いと、退学後に戻る道と転入学の手続きの順番の比較にあります。
退学には校長の許可が要る(学校教育法施行規則第94条)
第94条は、次のとおりです(e-Gov法令検索「学校教育法施行規則」、2026-10-11確認)。
生徒が、休学又は退学をしようとするときは、校長の許可を受けなければならない。
国の施行規則に書かれているのは、校長の許可が要ることまでです。退学届の様式、保護者の署名や提出期限、返却する物などは、各校の学則や案内によります。出し方は、在籍校の事務室や担任に確かめます。
就学支援金は「在学する生徒」への支給
就学支援金法の第3条第1項は、就学支援金の支給の対象を、次のように書いています(e-Gov法令検索「高等学校等就学支援金の支給に関する法律」、2026-10-11確認)。
高等学校等就学支援金(以下「就学支援金」という。)は、高等学校等に在学する生徒又は学生で日本国内に住所を有する者(…)に対し、…における就学について支給する。
(…)と…は、このページで省いた部分です。受給できる人の範囲は、在学していることが前提です。第3条第2項第2号は、高等学校等に在学した期間が通算して36月を超える者には支給しないと定めています。
文部科学省のQ&Aは、退学して入り直す場合の支給期間を、次のように説明しています(文部科学省「高等学校等就学支援金 Q&A」、2026-10-11確認)。
全日制の支給期間は36月であり、定時制・通信制は48月ですが、例えば、全日制で20月在学し、その後通信制に転学した場合は、48月-20月×4/3(端数切捨て)という計算式になり、通信制では22月分が支給されることとなります。
Q&Aは、高校等を中退して再入学し、卒業までに支給期間を超える場合の「学び直しの支援」にも触れ、「詳細は入学先の学校や都道府県にお問合せください」としています。区分と金額は学び直し支援金とはにあります。
県の公表の例:神奈川県の受給資格消滅通知
退学のときの就学支援金の手続きを書いた県のページを開いた範囲では、神奈川県が具体的に書いています。次は神奈川県の公立高校についての記述です(2026-10-11確認)。
| 項目 | 書かれていること | 出典 |
|---|---|---|
| 通知の発行 | 神奈川県内の高校等に在学し、退学または転学した時点で就学支援金の受給資格の認定を受けていた場合は、退学・転学の後に「受給資格消滅通知」を自宅に郵送する | 神奈川県「過去に高等学校等を退学したことがある方へ」 |
| 届くまで | 各高校等から県教育委員会へ退学・転学の報告があった後に発行して郵送するため、お手元に届くまで数か月かかる場合がある | 神奈川県「過去に高等学校等を退学したことがある方へ」 |
| 発行されない場合 | 退学・転学した時点で受給資格の認定を受けていなかった場合は、通知は発行されない | 神奈川県「過去に高等学校等を退学したことがある方へ」 |
| 提出が要る場面 | 再入学先や転学先の高校等に就学支援金を申請するとき、申請書と一緒に通知を提出する | 神奈川県「過去に高等学校等を退学したことがある方へ」 |
| 紛失したとき | 通知の代わりに「支給実績証明書」を提出する。過去に在学していた高校等の事務室に発行申請書を出す | 神奈川県「過去に高等学校等を退学したことがある方へ」 |
| 手続きが遅れたとき | 申請等の手続きが遅れたり、行わなかった場合は、授業料を負担することになる。手続きの案内は各学校で行う | 神奈川県「高等学校等就学支援金制度(公立)」 |
県の奨学金は、退学後に手続きがある
高校生向けの奨学金を借りている場合の扱いも、県が公表しています。神奈川県教育委員会の高校奨学金のページには、貸付けを受けた学校を卒業する前に異動した人について、次のとおり書かれています(神奈川県「転学または退学したときの手続きについて」、2026-10-11確認)。
- 転学した人、または退学後ほかの学校に入学した人: 「奨学金返還猶予申請書(第17号様式)」に在学証明書を付けて提出する。返還猶予の申請期間は、(転)入学年月日から卒業予定年の9月30日まで。
- 年度の途中で退学し、新年度まで入学を待つ人: 申請書に「進学・就職意思証明書(第29号様式)」を付けて提出する。申請期間は、退学年月日から入学予定年の9月30日まで。
- 手続きをしないと: 学校に在籍していても転退学時から6か月据え置きの後、返還が始まる(退学後に入学を待つ場合は、退学時から6か月据え置きの後)。
問い合わせ先は、同ページに神奈川県教育局行政部財務課の高校奨学金グループ(電話045-210-8251)と書かれています。神奈川県以外の県や、国・民間の奨学金の扱いは、このページでは調べていません。借りている奨学金の窓口に確かめてください。
このページの範囲。法令の条文と、神奈川県が公表している記述の整理です。個々の人が退学したとき、就学支援金や奨学金がどうなるかは、在籍校の規則と、受給している制度ごとの窓口によります。退学するかどうかの判断は、このページでは扱いません。
退学のあとに戻る3つの道を、公的な資料の記述で並べる
退学したあとに高校へ戻る道のうち、このサイトで公的資料を確かめたものを横に並べます。どれが合うかは判断しません。通信制高校や塾の比較もしません。各行のくわしい内容と出典は、右端のページにあります(2026-10-11確認)。
| 道 | 公的な資料に書かれていること | 先に相談する相手(資料の記述) | くわしいページ |
|---|---|---|---|
| 再入学 | 退学した人が、もと在学していた高校に入り直すこと。国の施行規則には出てこず、県の規則や案内で定められています。戻れる期限の書き方は県で分かれています。 | もと在学していた高校、または県の規則・案内 | 用語集の再入学、退学後に同じ高校へ戻る期限の書き方 |
| 編入学 | 施行規則第91条は、第1学年の途中又は第2学年以上に入学を許可される者を「相当年齢に達し、当該学年に在学する者と同等以上の学力があると認められた者」と定めています。受付の時期や学力の確かめ方は、条文にありません。 | 入りたい高校、または都道府県の教育委員会 | 休学・退学の違いと、退学後に戻る道、転入学・編入学のあとに単位が足りないときの扱い、海外から帰国した生徒の高校編入学 |
| 高卒認定試験 | 合格しても最終学歴は高校卒業になりません。合格した科目を高校の単位にするかどうかと単位数は、学校長の判断です(施行規則第100条)。出願期間は年2回です。 | 在籍している(していた)高校(文部科学省は、出願する前に相談するよう案内) | 高卒認定試験の合格科目を高校の単位にする扱い |
よくある質問
高校を退学するのに、国の法令で決まっていることは何ですか
学校教育法施行規則第94条は、生徒が退学をしようとするとき校長の許可を受けなければならないと定めています。届の様式や期限は、法令には書かれていません。
退学すると就学支援金はどうなりますか
就学支援金法第3条は、高等学校等に在学する生徒に支給すると定めています。神奈川県は、受給資格の認定を受けていた生徒が退学・転学すると「受給資格消滅通知」を郵送すると公表しています。他の県の扱いは、在籍校か県教育委員会に確かめます。
退学した後に、また高校に入るときに必要なものはありますか
神奈川県は、再入学先や転学先に就学支援金を申請するとき、受給資格消滅通知(紛失したときは支給実績証明書)の提出が必要と公表しています。
借りている県の奨学金は、退学するとどうなりますか
神奈川県の高校奨学金は、退学後に返還猶予の手続きをしないと、退学時から6か月据え置きの後に返還が始まると案内しています。県によって扱いは違う場合があるため、借りている奨学金の窓口に確かめます。