このページでわかること
- 認定する人: 学校教育法施行規則は、全課程の修了を認めるのは校長で、74単位以上を修得した人について行うと定めています。各学年の課程の修了・卒業も、平素の成績を評価して定めるとされています。
- 条文の範囲: 施行規則の本文に「原級留置」という語は出てきません。何を満たせば同じ学年にとどまるかは、この条文には書かれていません。
- 就学支援金: 法律は、高校等に在学した期間が通算36月を超える人には支給しないと定めています。原級留置になった場合の数え方は、読んだ資料に書かれていませんでした。
高校で原級留置(留年)になったとき、進級や卒業は誰がどう決めるのか、そのあと続ける・転学する・退学するとどうなるのかを、法令と文部科学省の資料の原文で整理します。個別の事情でどうなるかは判断しません。言葉の意味は用語集の原級留置、全国の人数は中途退学の統計で確かめられます。
進級・卒業を認めるのは校長です
学校教育法施行規則の第104条第1項は、第57条第1項を高等学校に準用すると定めています。第57条第1項は、次のとおりです(学校教育法施行規則(e-Gov法令検索)、2026-10-10確認)。
小学校において、各学年の課程の修了又は卒業を認めるに当たつては、児童の平素の成績を評価して、これを定めなければならない。
条文は小学校について書かれていますが、高校には準用されるため、高校では「児童」が生徒のことになります。各学年の課程の修了や卒業は、平素の成績の評価で定めるとされています。
全課程の修了については、第96条第1項に次のとおり書かれています(2026-10-10確認)。
校長は、生徒の高等学校の全課程の修了を認めるに当たつては、高等学校学習指導要領の定めるところにより、七十四単位以上を修得した者について行わなければならない。ただし、第八十五条から第八十六条までの規定により、高等学校の教育課程に関し第八十三条又は第八十四条の規定によらない場合においては、文部科学大臣が別に定めるところにより行うものとする。
第104条第3項には、学年の途中の扱いが書かれています(2026-10-10確認)。
校長は、特別の必要があり、かつ、教育上支障がないときは、第一項において準用する第五十九条に規定する学年の途中においても、学期の区分に従い、入学(第九十一条に規定する入学を除く。)を許可し並びに各学年の課程の修了及び卒業を認めることができる。
この3つの条文で、修了や卒業を認める主体として明記されているのは校長です。どの条件を満たさないと同じ学年にとどまるのかは、施行規則の本文を「原級留置」で検索しても該当する条がなく(2026-10-10確認)、条文には書かれていません。成績の基準や欠課時数の扱いは、各学校の規則(学則)や県の定めで決まります。
原級留置のあとに考えられる道と、法令に書かれていること
原級留置になったあとの道について、読んだ法令に書かれていることは次のとおりです。
- 今の学校で続ける: 同じ学年で学び直すことを定めた条文は、読んだ範囲に見つかりませんでした。扱いは各学校の規則で決まります。
- 転学する: 第92条第1項は、他の高等学校に転学を志望する生徒がいるとき、校長が事由を具して在学証明書その他必要な書類を転学先の校長に送付し、転学先の校長が教育上支障がない場合には転学を許可できると定めています。同条第2項は、全日制・定時制・通信制の間の転学や転籍は、修得した単位に応じて相当学年に転入できるとしています(2026-10-10確認)。手続きの順番は転入学の手続きの順番の比較、課程の間の転学は全日制と定時制の間の転学にあります。
- 退学する: 第94条は、休学・退学をしようとするとき校長の許可を受けなければならないと定めています(2026-10-10確認)。退学したあとに入り直す道は休学・退学の違いと、退学後に戻る道にあります。
転学するとき、今の学校でどの学年に相当するかは、修得した単位と、転学先の学校の判断で決まります。第92条第2項が書いているのは課程をまたぐ場合で、同じ課程の高校どうしの転学の学年の決め方は、この条には書かれていません。
就学支援金の支給期間との関係
高等学校等就学支援金の支給に関する法律の第3条第2項は、次のとおり定めています(高等学校等就学支援金の支給に関する法律(e-Gov法令検索)、2026-10-10確認)。
就学支援金は、前項に規定する者が次の各号のいずれかに該当するときは、支給しない。
一 高等学校等(修業年限が三年未満のものを除く。)を卒業し又は修了した者
二 前号に掲げる者のほか、高等学校等に在学した期間が通算して三十六月を超える者
同条第3項は、この期間を「その初日において高等学校等に在学していた月を一月」として数えると定めています。定時制・通信制の月の数え方は、政令で定めるとされています。
文部科学省の就学支援金Q&Aは、支給期間を次のように説明しています(文部科学省「高等学校等就学支援金 Q&A」、2026-10-10確認)。
高等学校の標準的な修業年限とされている36月まで原則支給されます。定時制・通信制の課程については原則48月まで支給されます。
法律の文面からは、原級留置で在学が3年を超えると、在学した期間が通算36月を超える場合があり得ます。ただし、Q&Aの本文に「留年」「原級留置」の語は出てこず、原級留置になった年の扱いは読んだ資料から分かりませんでした。休学中の期間計算や、転学したときの計算例は就学支援金とはと高校を長く休むときの休学・就学支援金・転学にあります。退学して再入学する人の支援は学び直し支援金とはにあります。
このページの範囲。学校教育法施行規則の第57条・第92条・第94条・第96条・第104条、就学支援金の法律の第3条、文部科学省のQ&Aを読んでまとめました。原級留置になる基準、成績評価の方法、原級留置の回数の上限、原級留置になった年の就学支援金の扱いは、読んだ資料に書かれていなかったため扱っていません。個別の事情で進級や卒業がどうなるか、支援金がいつまで受けられるかは判断しません。在籍校の担任・教務の先生、就学支援金は学校または県の担当窓口に確かめてください。
よくある質問
原級留置にするかどうかは、誰が決めますか
施行規則は、全課程の修了を認めるのは校長と定め(第96条第1項)、各学年の課程の修了や卒業は平素の成績を評価して定めるとしています(第104条第1項で準用する第57条第1項)。原級留置になる具体的な基準は、条文には書かれていません。
原級留置になったあと、転学はできますか
第92条第1項は、他の高校への転学を志望する生徒がいるとき、転学先の校長が教育上支障がない場合には転学を許可できると定めています。原級留置になった生徒の転学を特に定めた条文は、読んだ範囲に見つかりませんでした。受入れの可否は転学先の学校が判断します。
留年すると、就学支援金はもらえなくなりますか
法律は、高等学校等に在学した期間が通算して36月を超える人には就学支援金を支給しないと定めています(第3条第2項第2号)。留年した年の数え方は、読んだ法律とQ&Aに書かれていませんでした。個別にいつまで受けられるかは、学校または県の担当窓口に確かめてください。