高校進路デスク

転入学・編入学のあとに単位が足りないときの扱い(第92条と県の公表)

第92条の転学と修得した単位、栃木県の不足単位の補充、福島県の履修状況の条件、北海道の単位の読み替え、山梨県・香川県の教育課程の条件を、原文と出典で並べます。

机と椅子が並ぶ教室

このページでわかること

  • 法令に書かれていること: 学校教育法施行規則第92条第2項は、全日制・定時制・通信制の間の転学・転籍で、修得した単位に応じて相当学年に転入できるとしています。足りない単位を転入学後にどう補うかは、条文に書かれていません。
  • 栃木県の公表: 教育課程の違いで修得すべき単位に不足が生じる場合には、転入学後に適切な方法で不足単位の補充をすることがある、と書いています。
  • 福島県の公表: 転入学が認められる条件の一つに、在学校の履修科目や履修単位数等から、転入学後の学習の継続が可能であると認められることを挙げています。
  • 北海道・山梨県・香川県の公表: 北海道は、既に取得した科目の単位を別の科目に読み替えることは原則不可と書いています。山梨県と香川県は、教育課程の違いを受け入れの条件に挙げています。

転入学・編入学で入った高校の教育課程が、前の高校と違うときに、単位や履修の足りない分がどう扱われるのかを、公表されている範囲で整理します。個々の生徒の結論は出しません。単位の数え方の基本は法令が決めていること、他校での学修を単位にする制度は他校・施設での学修の単位認定にあります。

転学・転籍と修得した単位(第92条)

第92条の第1項と第2項は、次のとおりです(e-Gov法令検索「学校教育法施行規則」、2026-10-11確認)。

他の高等学校に転学を志望する生徒のあるときは、校長は、その事由を具し、生徒の在学証明書その他必要な書類を転学先の校長に送付しなければならない。転学先の校長は、教育上支障がない場合には、転学を許可することができる。

全日制の課程、定時制の課程及び通信制の課程相互の間の転学又は転籍については、修得した単位に応じて、相当学年に転入することができる。

転学先の校長が許可できるのは「教育上支障がない場合」です。第2項は課程の間の転学・転籍についての定めで、転入した後に足りない科目をどう補うかは書かれていません。第91条は、第一学年の途中又は第二学年以上に入学を許可される者について「相当年齢に達し、当該学年に在学する者と同等以上の学力があると認められた者」とだけ書いています。

県が公表している記述の例

県の公表の中に、転入学の後の単位の扱いに触れた記述を探しました。開いた範囲で見つかったのは、次の5県です(2026-10-11確認)。

転入学と単位について書いている県の公表
県書かれていること(原文)出典
栃木県「教育課程の相違により、修得しなければならない単位に不足が生じる場合には、転入学後に適切な方法で不足単位の補充をすることがあります。」。あわせて、転入学を希望できる高校は同一課程同一学科が原則、と書いている栃木県「栃木県公立高等学校への転入学を希望する皆様へ」
福島県転入学が認められる条件の②として「在学する高等学校における履修科目や履修単位数等から、転入学後の高等学校における学習の継続が可能であると認められること」福島県「福島県立高等学校への転入学・編入学について」
北海道Q3「2学年の途中で転学する場合、転学先の高校の2学年では、学校が定める卒業までに必ず履修すべき科目が設置されていません。どのように判断されますか?」に対し、「卒業の可能性を総合的に判断( ただし、既に取得した科目の単位を別の科目に読み替えることは原則不可。)した上で、転学の受入れの可否について、転学を希望する学校の校長が判断する」と回答している北海道教育委員会「道立高校への転学・編入学ガイドライン」
山梨県転入学受け入れの条件として「一家転住などの特別な事情がある場合。」「教育課程上支障がない場合。」を挙げている山梨県教育委員会「県立高校における転入学について」
香川県転入学が許可される条件の一つとして「転入学希望者が在学している高等学校の教育課程と転入学希望先の高等学校の教育課程との間に、著しい差異がないこと。」を挙げている香川県教育委員会「公立高等学校へ転入学したいときは…」

栃木県の文面は「補充をすることがある」までで、補充の具体的な方法(補習・課題・科目の履修など)は書かれていません。福島県・山梨県・香川県の文面は、転入学を認める条件としての記述で、不足した単位を入学後にどう補うかは書かれていません。北海道の文面は、読み替えの可否に触れていますが、補充の方法は書かれていません。高知県の質問と回答には該当する語が見つかりませんでした(2026-10-11確認)。奈良県は資料を開けず、確認できていません。その他の県は、このページでは調べていません。ここにない県に同じ扱いが無いという意味ではありません。

このページの範囲。学校教育法施行規則と、5県の公表の整理です。どの科目が足りないか、補充をするか、前の高校の単位をどう数えるかは、転入学を考える高校と在籍校が決めます。転入を希望する高校の教務に、在籍校の単位修得証明書などを見せて確かめてください。受け入れ状況の公表の有無は都道府県別の公開状況、手続きの順番は転入学の手続きの順番の比較にあります。

よくある質問

転入学のあと、前の高校の単位は引き継がれますか

第92条第2項は、全日制・定時制・通信制の間の転学・転籍で、修得した単位に応じて相当学年に転入できると定めています。単位をどう数えるかの具体的な基準は、条文に書かれていません。転入学を希望する高校に確かめます。

出典: e-Gov法令検索「学校教育法施行規則」(2026-10-11確認)

教育課程が違うと、足りない単位はどうなりますか

栃木県は、教育課程の相違により修得しなければならない単位に不足が生じる場合には、転入学後に適切な方法で不足単位の補充をすることがあると公表しています。補充の方法は書かれていません。北海道は、既に取得した科目の単位を別の科目に読み替えることは原則不可と書いています。山梨県と香川県は、教育課程の違いを受け入れの条件に挙げています。他の県は、希望する高校や県教育委員会に確かめます。

出典: 栃木県「栃木県公立高等学校への転入学を希望する皆様へ」、北海道教育委員会「道立高校への転学・編入学ガイドライン」、山梨県教育委員会「県立高校における転入学について」、香川県教育委員会「公立高等学校へ転入学したいときは…」(2026-10-11確認)

履修の状況は転入学の可否に関係しますか

福島県は、転入学が認められる条件の一つに、在学校の履修科目や履修単位数等から、転入学後の学習の継続が可能であると認められることを挙げています。

出典: 福島県「福島県立高等学校への転入学・編入学について」(2026-10-11確認)