高校進路デスク

いじめを理由に高校を移るとき(法律・ガイドライン・転学の流れ)

学校と設置者に求められていること、重大事態の調査、転学の手続きの入口を、法律の原文で並べます。

机と椅子が並ぶ教室

このページでわかること

  • 法律が学校に求めること: いじめ防止対策推進法は、いじめの事実の確認、設置者への報告、いじめを受けた生徒が安心して教育を受けられるための措置を、学校に求めています。
  • 重大事態: いじめで長く欠席を余儀なくされている疑いがあるときは、学校の設置者または学校が調査の組織を設けます。文部科学省のガイドラインは、年間30日の欠席を目安としています。
  • 転学の手続き: 読んだ条文に、転学の方法そのものは書かれていません。転学の書類の流れは、学校教育法施行規則と各県の案内で確かめます。

いじめや不登校を理由に、いまの高校から別の高校へ移ることを考える親に向けて、国の法律とガイドラインで公表されていることを並べます。県ごとの転入学・編入学の公表状況は都道府県別の公開状況、手続きの順番は転入学の手続きの順番の比較にあります。言葉の意味は用語集で確かめられます。

いじめ防止対策推進法が学校と設置者に求めていること

法の第23条は、学校に在籍する生徒がいじめを受けていると思われるときの学校の措置を定めています(e-Gov法令検索、2026-10-09確認)。要点は次のとおりです。

学校は、前項の場合において必要があると認めるときは、いじめを行った児童等についていじめを受けた児童等が使用する教室以外の場所において学習を行わせる等いじめを受けた児童等その他の児童等が安心して教育を受けられるようにするために必要な措置を講ずるものとする。

公立高校の設置者は、県立なら県の教育委員会、市立なら市の教育委員会などです。第24条は、設置者について次の定めを置いています。

学校の設置者は、前条第二項の規定による報告を受けたときは、必要に応じ、その設置する学校に対し必要な支援を行い、若しくは必要な措置を講ずることを指示し、又は当該報告に係る事案について自ら必要な調査を行うものとする。

重大事態の調査

法の第28条第1項は、次の場合に、学校の設置者または学校が、組織を設けて事実関係を明確にするための調査を行うと定めています(2026-10-09確認)。

一 いじめにより当該学校に在籍する児童等の生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき。
二 いじめにより当該学校に在籍する児童等が相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認めるとき。

文部科学省の「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」(令和6年8月)は、第2号の不登校にあたる場合について、年間30日の欠席を目安とするとしています。そのうえで、連続して欠席していて、その要因としていじめが考えられるような場合には、学校は、欠席が30日に到達する前から設置者に報告・相談するよう求めています(ガイドライン(PDF)、2026-10-09確認)。ガイドラインはまた、児童生徒や保護者から重大事態の申立てがあったときは、重大事態が発生したものとして報告・調査等に当たるとしています。

移る場合の手続きは、別のところで決まります

ここまでの条文に、いじめを理由とした転学の方法や、転学先の高校の受入れの定めは出てきません。このページで確認したのは、法律とガイドラインだけです。転学の書類の流れは、学校教育法施行規則の第92条第1項で、転学を志望する生徒がいるとき、書類を転学先の校長へ送るのはいまの学校の校長とされています(e-Gov法令検索、2026-10-09確認)。そのため、最初の相談先は、移りたい高校ではなく、いまの学校の担任か教務です。法令と県の案内で整理しています。

転学先の公立高校が受入れるかどうか、いつ受付があるかは県ごとに違います。自分の県の公表は都道府県別の公開状況、受付時期は受付時期の一覧、必要書類は必要書類の整理で見られます。

国が公表している相談の窓口

電話番号は写していません。最新の番号と受付時間は、上の公式ページで確かめてください。

県の教育委員会が案内しているいじめの相談窓口(8都道府県)

県や市の教育委員会が、いじめについて専用の案内ページを置いていることがあります。次の8都道府県は、公式ページで窓口の名称を確認できました(2026-10-09確認)。ほかの県と市は、このページでは調べていません。

県の教育委員会が案内しているいじめの相談窓口
都道府県公式ページに書かれている窓口公式ページ
東京都東京都教育相談センターの「教育相談一般・東京都いじめ相談ホットライン」(24時間対応と記載)東京都教育委員会「教育についての相談」
神奈川県神奈川県立総合教育センターの「24時間子どもSOSダイヤル」(いじめに関する電話相談、24時間365日と記載)。同じ一覧に神奈川県弁護士会の「子どもお悩みダイヤル」もあります神奈川県「相談窓口一覧(いじめ)」
大阪府大阪府の「いじめや学校生活で悩んでいる方へ」のページが、「すこやか教育相談24」(24時間対応)を案内しています大阪府「いじめや学校生活で悩んでいる方へ」
埼玉県埼玉県の「困ったときの相談窓口」が、県立総合教育センターの「彩の国 よりそうみんなの電話・メール教育相談」(いじめ、不登校、学校生活の相談。毎日24時間と記載。メールの返信は平日)を案内しています埼玉県「困ったときの相談窓口」
愛知県愛知県の相談窓口のページが、愛知県教育委員会事務局義務教育課の「いじめほっとライン24」(いじめに悩む児童生徒や保護者への電話相談、年中無休24時間と記載)を案内しています愛知県の相談窓口一覧
北海道北海道教育委員会の「子ども相談支援センター」(いじめ・不登校などの電話相談。毎日24時間、匿名可と記載。対象は道内在住の児童生徒と19歳未満の就学していない人、その保護者ほか)北海道教育委員会「子ども相談支援センター」
宮城県宮城県の総合教育相談事業のページが、「24時間子供SOSダイヤル」(いじめや学校生活に悩む児童生徒や保護者への電話相談、24時間365日と記載)を案内しています。県総合教育センターの子供の相談・登校相談の電話は平日の日中と記載宮城県「登校相談・子供の相談・24時間子供SOSダイヤル・みやぎSNS相談」
福岡県福岡県教育委員会の「子どもホットライン24」(24時間の電話相談。メール相談もあり、義務教育課の窓口は平日9時から17時と記載)福岡県「子どもホットライン24相談窓口について」

窓口の対象(県立高校の生徒か、保護者も使えるか)は、リンク先で確かめてください。

このページの範囲。いじめ防止対策推進法の条文と、文部科学省のガイドラインに書かれていることの整理です。個別の事情がいじめや重大事態にあたるか、転学できるか、どの手段がよいかは判断しません。東京都・神奈川県・大阪府・埼玉県・愛知県以外の県と市の相談窓口と、転学先の受入れは調べていません。まずはいまの学校と、設置者(県または市の教育委員会)に確かめてください。

よくある質問

いじめを理由に転学を認める、と法律に書かれていますか

いじめ防止対策推進法の第23条・第24条・第28条には、転学の方法や、転学先の受入れについての定めは見当たりませんでした(このページで読んだ条文の範囲)。転学の書類の流れは学校教育法施行規則第92条第1項にあり、書類を転学先の校長へ送るのは、いまの学校の校長です。

出典: いじめ防止対策推進法(e-Gov法令検索)/学校教育法施行規則(e-Gov法令検索)(2026-10-09確認)

「重大事態」とは何ですか

法第28条第1項が定める2つの場合です。1つは、いじめにより生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき。もう1つは、いじめにより相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認めるときです。後者について、ガイドラインは年間30日の欠席を目安としています。

出典: いじめ防止対策推進法(e-Gov法令検索)/いじめの重大事態の調査に関するガイドライン(PDF)(2026-10-09確認)

学校の対応に納得できないとき、学校以外に報告を受ける機関はありますか

法第24条は、学校から報告を受けた学校の設置者が、必要に応じて学校に支援や措置を指示し、または自ら調査を行うと定めています。公立高校では、設置者は県または市の教育委員会などです。窓口は県と市で違います。東京都・神奈川県・大阪府・埼玉県・愛知県の窓口は、このページの表にあります。ほかの県と市は調べていません。

出典: いじめ防止対策推進法(e-Gov法令検索)(2026-10-09確認)

次に確認すること